新型コロナウイルスは中国経済にどんな影響を及ぼす?

中国の武漢から発生した新型コロナウイルス。
武漢ではなお感染が広がっているようです。いつ終息するのかも分かっていません。
そうなると、中国経済に及ぼす影響は計り知れないものになる筈です。

 

 

まず、中国の観光産業への影響です。
中国には海外からの観光客も多いのですが、生活が豊かになった中国の人々が中国国内を旅行することが非常に増えて来ました。
武漢はもちろんのこと、中国の主だった観光地も行けなくなっていますし、映画館や遊園地等、人が大勢集める施設は殆どが営業を停止しています。
そうなると観光産業はしばらくの間は、殆ど活動出来なくなるわけです。 その影響は大変なものがありますね。

 

 

また、春節(旧正月)の期間が延長されましたが、2月10日までは、北京、上海、広州、深?(しんせん)の大都市においての業務再開は禁止されているようです。
工場が稼働していないので、その影響は日本にも及んでいます。
中国で生産された部品を使っている日本の中小企業は、その対応に追われています。

 

 

しかも中国は、この新型コロナウイルスが発生する前から、アメリカとの貿易摩擦を抱えていました。
お互いに意地の張り合いのように関税を吊り上げたりしていましたが、何とかその摩擦も治まりかけた途端の、この新型コロナウイルスの発生です。
こういった事が中国経済の景気後退を招かない訳がありません。
そうでなくとも中国の経済成長の伸び率が徐々に低くなっも考えると踏んだり蹴ったりの感じではあります。

 

 

この中国経済に起きている問題を何とか緩和するべく、中国人民銀行は、2月3日、金融市場に日本円で約18兆6000億円を供給しました。
この新型コロナウイルスの影響で業績の悪化している企業に対して、銀行が貸し渋りをしないための措置です。
ただでさえ、銀行は国有企業のような大きな企業には融資を進んで行っていましたが、民営企業のような中小企業には貸し渋りをしていました。
そいういった事をしないようにと前から地方政府は銀行に注意していたので、今回の問題でいっそう貸し渋りが起きないようにとの措置と思われます。

 

 

この新型コロナウイルスの問題で、民営企業がばたばたと倒産してしまったら、中国経済にはかなりの損失になります。
ともかくも、中国政府はこの新型コロナウイルスの出来るだけ早い終息と、それに伴う経済の悪化を最小限にとどめようとしています。