船内感染について

海外から対応を批判されているダイヤモンドプリンセス号についてですが、船内という狭い空間に乗客らを何日間も留め置いたことで新型コロナの感染が拡大してしまったのではないかと言う声があるかもしれません。
一方で専門家によると、2月1日に香港の最初の新型コロナの感染患者の話が出た際に、すぐに客室へ隔離していれば感染拡大は防げたのではないかという声を挙げている人もいます。
ダイヤモンドプリンセス号では、夕食にナイトビュッフェで食事提供を行っていました。
それが新型コロナ感染患者が出たという2月1日から乗客を客室へ隔離するという2月5日までの間、通常通りビュッフェを行っていたというのです。
しかも船内で行われていたイベントもこの間普通に行われていたそうです。
外からの情報があまり伝わらない乗客たちは、何も知らされない状態でマスクなど感染対策をすることもなく、普通に多くの人と関わっていたのです。
この客室へ待機する前に多数の人が新型コロナに感染したと国立感染所は分析しています。
感染には2回の大きな波があったそうです。
1回目がこのビュッフェやイベントによる乗客同士の交流によるもの。
2回目が客室待機になった後、乗員が各部屋を回って食事提供などサービスを行った際にウイルスを広げたと推定しています。
2月18日までの時点でウイルス検査の陽性反応が出た人は531人、そのうち466人が乗客、65人は乗員でした。
分析対象の48%にあたる255人には症状がなかったそうです。
新型肺炎発症日のわかった人が184人。
その中で33人に関しては客室待機の始まる5日より前に発症していることがわかりました。
6日から9日に発症したのは89人、潜伏期間があることからみても、5日より前に感染したことがわかります。
その後の発症患者数は減少傾向になっているので、船内で隔離したことは有効だったと言えます。
しかしこれに対して別の専門家は症例数が限られていて、まだこれから発症者も出る可能性があるため、これだけで隔離が有効であったかどうかの判断はできないとしています。
10日以降には、乗員の発症者が増えました。
乗員に関しては隔離が不十分で感染が広がってしまったそうです。
乗員のあなたは、政府からのiPhoneを届けてくれたり、カードゲームなどを支給してくれたり、手芸用品の支給、シーツ交換など過酷な状況の中でサービスを提供し続けていたそうです。
乗員らが個別に隔離されることもなく船内を動いていたため、感染しやすい状態にあったと考えられます。