検査体制について

全員新型コロナウイルスに感染しているかどうかを検査して、その結果で陰性ならば下船、陽性ならば入院すればいいのではないかと単純に考えれば思ってしまうところです。
長くダイヤモンドプリンセス号に留め置かれることで、感染していなかったのに、感染してしまう危険性が高くなるからです。
しかし新型コロナのウイルス検査がなかなか進みませんでした。
1日あたりに検査できる数に限りがあったからです。
ダイヤモンドプリンセス号に乗船していた受験生は約3,700人、それだけの人数の検査を一気に行うことはできなかったのです。

 

日本国内に感染症の検査ができる特別な機関は全国に数軒しかなく、そこを全稼働したとしても人員が不足しており、そこまでいろいろな処理能力はないそうです。
日本で一番多くのウイルス検査を行っている国立感染症研究所でも、1人にできるウイルス検査は200件あまりでした。
それを人員増強して従来の2倍、1日に最大で400件行えるような体制づくりが新型コロナ発生から約2週間経ってやっと整いました。
国としても、ダイヤモンドプリンセス号だけではなく市中感染も増え始めたことをうけて、1日に最大で3,000件、従来の10倍のウイルス検査ができるように体制拡充を行いました。

 

新型コロナへの感染が疑われてもすぐに検査が受けられないことから、感染者が知らずに日常生活をそのまま送り続け多くの人にウイルスをまき散らしてしまうという可能性が見つけました。
感染しているかどうか検査を受けたくても、2月18日現在、国が規定とした基準は37.5度以上の発熱があって、せきなどの呼吸器症状があること。
さらに中国の湖北省、浙江省へ渡航歴があるとか、渡航歴のある人と接触したという場合にしか検査が受けられません。
検査をなかなか受けられないので確定診断が下されずに困っている人が。います。
発熱やせきなどの症状がない人でもウイルス検査を行って陽性となった人が出てきています。
そのため検査対象について早急に見直す必要がありました。

 

日に日にウイルス検査した人から感染者が確定するたびにダイヤモンドプリンセス号にいる人たちは不安を感じていると思います。
増え続ける患者に、船内環境の感染防止対策は適切なのかどうか疑問視する声もあがっています。