FRIDAY(フライデー)2018/9/7号
「がん研究会がんプレシジョン医療研究センター」所長・中村祐輔医師(8)が、癌治療のほかにも研究があり、その1つが薬剤の副作用。
インフルエンザのタミフルが有名なように、ワクチンなども副作用のリスクとメリットのギャンブル的要素が強いもの。
でも副作用による難病も患者に「ある遺伝子」があるかないか。
有名なのが、「スティーブンス・ジョンソン症候群」。
別名として「皮膚粘膜眼症候群」と呼ばれるもの。
この病気、十数年前までは原因が不明。
それも乳幼児から高齢者まで年齢や性別に関係なく発症するので、予防する治療も検討がつかない病気。
ロキソプロフェン
この原因と考えられるのが、「ロキソプロフェン」。
- ロキソニンS
- バファリンEX
- コルゲンコーワ鎮痛解熱LXa
- ロキソ~ではじまるのが多数・・・
どんでもないリスクを抱えたかぜ薬ってことですね。
中村医師によれば「ある遺伝子」を持った人が、この「ロキソプロフェン」を摂取すると「スティーブンスジョンソン症候群」が発症するようだということですね。
ちなみに薬の副作用で発症するというのは、中村医師の思い込みではありません。
これまでも、が厚生労働省に「スティーブンス・ジョンソン症候群」を発症した患者の詳細が集まっても「薬剤の副作用」と処理されてきたんですね。
抗生物質、解熱鎮痛消炎剤、てんかん治療薬、カゼ薬、痛風治療薬などの処方薬や市販薬を服用した後に異変が起きたことが厚生労働省に報告され確認もされています。
つまり、薬の副作用でも発症する。
でもその原因はわからない。
中村医師n研究だと、特定の遺伝子を持った人だろう。
ということですね。
でも同じようなことはありえるのか?
可能性の話にしても、メカニズム的にあり得るのか?
と考えると、2003年に事例があるんですね。
HLA-B1502という遺伝子を持つ人が、「カルバマゼピン」というてんかん薬を服用するとほぼ100%発症することも確認されています。
興味があれば論文でも検索どうぞ。
※台湾の研究者による論文
でも、この論文だとどうも日本人にはあてはまらない。
そこで研究していたら、日本人の場合は別の遺伝子、HLA-A3101が関係してるようだということまでわかったんですね。
そこで台湾では、関係が強そうな「てんかん薬」や「痛風薬」などを服用する場合、遺伝子検査をしてから投与するようになったんですね。
もちろん日本ではほとんど無視。
まぁ薬の売り上げを下げるだけなので、誰も興味ないでしょう。
このフライデーは、上記の市販薬を販売している製薬会社にアンケート。
「このような遺伝子と「ロキソプロフェン」の関係は?」
この質問に対しては、「認識している」、「発症リスクが高いと認識している」と回答を得られたとのことです。
正直ですよね、製薬会社。
ちゃんと注意書きにも記載しているそうです。
いろいろな大人の事情があるわけです。
かぜ薬を飲むにしても、自己責任ということですね。