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効果は出せず、記録は半分不明。コロナワクチン2025-26シーズンの報告

効果は出せず、記録は半分不明。コロナワクチン2025-26シーズンの報告 健康ニュース

効果は出せず、記録は半分不明。コロナワクチン2025-26シーズンの報告

効果は出せず、記録は半分不明。コロナワクチン2025-26シーズンの報告

コロナワクチン接種率が下がったら、超過死亡も下がった。
もちろんこれだけで断定はできないけれど、有効性も確認できないという研究も発表

長崎大学熱帯医学研究所が中心のVERSUS研究は、国内の新型コロナワクチンの「今の効果」を病院データから追い続ける監視研究だ。

2026年8月31日に出た第14報は、2025–2026シーズンの入院予防効果について、はっきりこう書いた。有効性は推定できなかった、と。

呼吸器感染症ワクチンの有効性
2025–2026 シーズンの新型コロナワクチン接種状況と
新型コロナウイルス感染症に関連する入院に関する暫定解析

https://www.tm.nagasaki-u.ac.jp/versus/results/20260831.pdf

コロナが流行した2020年も超過死亡は減少。
mRNAワクチン接種が開始した2021年から、5年連続で超過死亡が激増。

いまや接種者自体が減少した2026年には、超過死亡も減少。
偶然なのだろうか?

というか今回の研究でもデータそのものが、素人目から見てもグダグダ。
半分の人は接種記録はあるのに、いつ接種したかは不明とか。

ま、コロナあるあるですけどね。

 

 

2025-2026シーズンのワクチン有効性はなぜ出せなかったのか

2025-2026シーズンのワクチン有効性はなぜ出せなかったのか

対象は、2025年10月1日から2026年3月31日までに、全国9都府県・11病院へ急性呼吸器感染症を疑って入院した60歳以上だ。登録771人からインフルエンザ陽性などを除き、解析は702人。このうち新型コロナウイルス検査陽性は55人(7.8%)だった。一次資料はVERSUS第14報PDF研究公式サイトである。

有効性の計算で使うのは、通常「今シーズンのワクチンを打ってから7日以上経過した人」だ。免疫がつく前の期間は別扱いになる。その区分がこうだった。

今シーズンの接種状況検査陽性(55人)検査陰性(647人)
接種後7日未満2人4人
接種後7日以上0人33人
今シーズンは未接種26人269人
今シーズンの有無が不明27人341人

陽性55人のうち、接種後7日以上はゼロ。比較の片側が空だから、いつもの方法では入院予防効果を出せない。報告書も「解析対象者数および陽性入院例が少なく、VEを推定できなかった」と書いている。

ひとつ前の第13報では、2025年4〜9月のJN.1対応ワクチンについて、60歳以上の入院予防効果を72.1%(95%信頼区間10.7〜91.3%)と出している。同じ系列なのに、今シーズン分だけ数字が止まった。材料が足りなかった、という理解が正確だ。

 

702人のうち「不明」が368人という記録の穴

ここが一番ざらつく。不明368人は、ワクチンを一度も聞いていない人数ではない。注釈はこうだ。過去の新型コロナワクチン接種歴はあるが、2025–2026シーズンを打ったかどうかがわからない人。

702人の半分以上である。過去の接種歴があるのに今シーズン分が切れない。病院の聞き取りと手元の記録では、いつ・どの製剤かが確定できなかった、という意味だ。

 

同じ研究の過去報でも、日本の医療機関では受診者の接種歴を正確な記録として確認できる仕組みが十分整っていない、と制限に書かれている。11病院の入院調査で、全市町村の接種台帳へ全員分を突合できるわけではない。

別の自治体で打っている、施設経由、手帳が入院時にない。よくある話ではある。よくある話を、監視研究の半分超に残したまま有効性を語るのは無理がある。

 

確認できた今シーズン接種は、7日未満6人+7日以上33人で39人。未接種と分かった人は295人。残りが不明だ。「702人中6人しか打っていない」ではない。7日未満だけが6人で、確認できた接種は39人、不明が368人。この整理を外すと、数字が一人歩きする。

定期接種の対象も狭い。厚生労働省の今冬対策では、対象は65歳以上と、心臓・腎臓・呼吸器などに重い機能障害がある一部の60〜64歳だ。

原則有料。2025年度は国の1回8,300円助成も終わっている。打った人が少なく、記録も欠け、陽性例も少ない。三点セットで計算が止まった。

 

 

新型コロナワクチンの接種率は2025年度に下がったのか

新型コロナワクチンの接種率は2025年度に下がったのか

全国民の一本の公式接種率は、特例臨時接種の頃みたいには出ていない。定期接種に移り、集計が自治体単位になったからだ。それでも「下がった」方向は複数の調査で揃う。

時事通信社と地方行財政調査会が、政令市・中核市・県庁所在市・東京特別区など109団体を対象にした調査がある。時事ドットコムおよび報道まとめによると、回答106団体のうち2025年度に自己負担を上げたのは84団体。接種率を出せた101団体は、すべて前年度より低下した。

 

例はこうだ。

区分高い側の例低い側の例
2024年度東京都足立区 38.5%兵庫県尼崎市 11.5%
2025年度東京都北区 29.6%埼玉県越谷市 2.4%

集計期間が団体で違うので、全国平均をこの表から作ってはいけない。それでも「調べた101団体は全部下がった」は、かなり強い観察だ。自己負担が高いほど接種率が低い傾向も、同調査は指摘している。

 

2024〜2025シーズンの65歳以上を、自治体の使用量などから推計した研究では、全国で約17.9%という数字もある。

2025年度はその先で、さらに下がった自治体が目立つ。供給見込みは約909万回分。65歳以上が約3,600万人規模だと考えれば、全部使い切っても20%台前半が理論上の天井に近い。

VERSUS第14報の「確認できた今シーズン接種が約5.6%、不明が半数超」は全国接種率そのものではない。呼吸器感染症で入院した60歳以上の、病院で取れた記録だ。

全国の「打った人の割合」と、入院患者の「記録に残った今シーズン接種」は別物だ。ただ、どちらも低調に見える、という点では方向が同じだ。

 

 

2025年の日本人の死亡数は何人減ったのか

死亡の話を接種率に直結させると、記事が先走る。先に公式の死亡数を置く。

厚生労働省「令和7(2025)年人口動態統計月報年計(概数)」によると、2025年の日本人の死亡数は1,589,489人。前年より15,889人減り、5年ぶりに減少した。報道発表PDFも同じ数字を掲げている。確定数は2026年9月公表予定の概数だ。

 

同じ統計の死因簡単分類では、新型コロナウイルス感染症を死因とする死亡は2025年21,497人。2024年の35,865人から約1.4万人減っている。インフルエンザは6,838人。コロナ死亡は減ったが、なおインフルより多い。

超過死亡は「予測より多く死んだ人数」で、コロナ死亡でもワクチンの影響そのものでもない。予測の置き方で幅が出る。2025年の総死亡が前年より減ったのは事実だ。一方で、2024年末から2025年初のインフルエンザ流行では超過が出た、とする分析もある。年合計の減少と、週単位の超過は両立しうる。

 

接種率が下がった年に総死亡もコロナ死亡も減った、は観察として書ける。接種が減ったせいで死亡が減った、は今の資料では言えない。2025年の死亡の多くは、2025年10月開始の今シーズン定期接種の前にも起きている。

 時期がずれている。因果にするなら、打った人・打っていない人を個人単位で追う研究が要る。第14報は、まさにその比較に必要な「接種済みの陽性入院例」が足りず、止まっている。

 

数字を短くまとめる。

  • 第14報は、今シーズンの入院予防効果を推定できなかった
  • 解析702人のうち、今シーズン接種の有無不明が368人
  • 時事通信などの調査では、接種率を出せた101団体がすべて前年度より低下
  • 2025年の日本人の死亡数は1,589,489人で、5年ぶりに減少

有効性が消えた証明ではない。測れるデータが、この季節この病院群では揃わなかった記録だ。測れなかった理由の半分は、接種が少なかったこと。

 もう半分は、打ったかどうかが分からない人が多すぎたこと。後者は研究の限界というより、現場の記録の限界に近い。

今シーズン打ったかどうかを、自分は記録で言えるか。

 

 

【新型コロナワクチン】のよくある質問(FAQ)

2025-2026シーズンの新型コロナワクチン有効性は確認できたのか

📉いいえ、2025-2026シーズンの入院予防効果は推定できませんでした。

長崎大学熱帯医学研究所を中心とするVERSUS研究の第14報は、2025年10月1日から2026年3月31日に入院した60歳以上を解析し、ワクチン有効性(VE)を出せなかったと記しています。

効かないと証明した報告ではありません。

陽性側に「今シーズン接種後7日以上」の人がおらず、計算できる形にならなかった、という暫定解析です。

一次資料はVERSUS第14報PDFです。

 

VERSUS研究とは何か

🏥VERSUS研究は、国内の医療機関データから新型コロナワクチンの発症予防や入院予防の効果を追う監視研究です。

正式名称はVaccine Effectiveness Real-Time Surveillance for SARS-CoV-2です。

長崎大学熱帯医学研究所が中心となり、検査陰性デザインで症例と対照を比較します。

第14報は2026年8月31日公開です。

研究の位置づけはVERSUS公式サイトで確認できます。

 

第14報の解析対象は何人だったのか

👥解析対象は702人です。

全国9都府県の11病院で、急性呼吸器感染症を疑って入院した60歳以上771人が登録され、インフルエンザ陽性などを除いて702人になりました。

702人のうち新型コロナウイルス検査陽性は55人(7.8%)、検査陰性は647人です。

人数の内訳は第14報PDFの結果にあります。

 

今シーズン接種後7日以上の陽性例は何人いたのか

🔢0人です。

検査陽性55人のうち、2025-2026シーズンの新型コロナワクチンを接種後7日以上経過していた人は0人でした。

接種後7日未満は陽性2人、陰性4人です。

接種後7日以上は陽性0人、陰性33人です。

比較の片側が空になるため、いつもの方法では入院予防効果を出せません。

 

VERSUS第14報の不明368人は何を指すのか

🗂️不明368人は、過去の新型コロナワクチン接種歴はあるが、2025-2026シーズンを打ったかどうかが分からない人です。

検査陽性27人と検査陰性341人の合計です。

解析対象702人の半分以上に当たります。

入院時に接種歴がまったく取れない人は、最初から研究対象から外されています。

病院の聞き取りと手元の記録では、今シーズン分か確定できなかった、という意味です。

 

日本の病院で新型コロナワクチンの接種記録は正確に分かるのか

📋いいえ、正確な確認の仕組みは十分整っていません。

VERSUS研究の過去報も、日本の医療機関では受診者の接種歴を正確な記録として確認できるシステムが整備されていない、と制限に書いています。

11病院の入院調査では、全市町村の接種台帳へ全員分をすぐ突合できるとは限りません。

別の自治体接種、施設経由、手帳が入院時にない、といった理由で今シーズン分が切れます。

記録の取り方の限界は、第14報PDFと過去報の制限欄で確認してください。

 

2025年度の新型コロナワクチン接種率は下がったのか

📉はい、接種率を出せた101団体はすべて前年度より低下しました。

時事通信社と地方行財政調査会が、政令市・中核市・県庁所在市・東京特別区など109団体を調べています。

回答106団体のうち、2025年度に自己負担を上げたのは84団体です。

2025年度の高い例は東京都北区29.6%、低い例は埼玉県越谷市2.4%です。

全国民を分母にした一本の公式接種率は、定期接種移行後は出ていません。

調査の報じ方は時事ドットコムで確認できます。

 

2025年の日本人の死亡数は何人か

⚰️2025年の日本人の死亡数は1,589,489人です。

前年より15,889人減り、5年ぶりに減少しました。

厚生労働省「令和7(2025)年人口動態統計月報年計(概数)」の数字です。

確定数は2026年9月公表予定です。

出典は人口動態統計の概況ページ報道発表PDFです。

 

 

備考