新型コロナウイルスの致死率は?

2月11日付のWHO Situation reportsでは、中国の新型コロナウイルス感染の疑いのある人は4万人を超え、死者も1,000人を上回り、この時点で、中国での報道では、感染者は4万5,000人に迫っていると言われていました。
ただ、症状が回復した患者も増え、「2月中旬から下旬が流行のピークとなる」という見解を示す中国の調査チームもありました。

 

 

2月1日には新型コロナに関連する感染症での死者がフィリピンで出て、中国以外の死者が初めてとなりました。
そして、2月4日には、香港で死亡者が1人で出て、中国本土以外の死亡例は初めてとなりました。
それ以降、中国以外で死者が出たという報告はしばらくありませんでした。
この時点で新型コロナウイルスの致死率は、全世界で約2%、中国を除いて計算すると約0.2%程度となります。
一般的に、感染症が流行し始めた時期は、まず重傷者から診断することと、これから軽症の感染者が増えることが予想されるので、さらに致死率は下がっていくと考えられます。

 

 

全世界で約2%、中国以外で約0.2%という新型コロナウイルスの致死率は、ウイルス感染症において高いのか低いのか、わからない人も多いのでは?どうでしょうか?
死亡例も出ているので、危険性のある感染症だと言えます。エボラ出血熱の致死率は50%前後、MARSは約34%、SARSは9%、中国湖南省で感染が広がる「H5N1型」鳥インフルエンザがヒトに感染すると、その致死率は約53%になると言います。
このような恐ろしい性質のあるウイルスと比べると新型コロナウイルスによる感染症の致死率は低いように思えます。

 

 

これまでの報告によると新型コロナウイルスの疑いで死亡した人は、糖尿病や心臓病などの病気をもともと患っていた高齢者が多いそうです。
健康な若い人の死亡例もあるので、高齢者以外の人は安心だとは言い切れません。少なくとも、健康状態が良好な人が感染したとしても、生命の危険にすぐにつながることはないようです。

 

 

2月10日の段階で、日本で新型コロナウイルス感染の疑いがあった人は26人でした。
そのうち、3人は、病原体を保有しながら、症状は全くなかったそうです。
また、他の23人は症状がありましたが、9人はすぐに退院できる状態に回復したそうです。
残りの14人のうち11人も、軽症や中等症だったと言われています。
ただ新型コロナについては、わからないことが多いので、感染の機会をできるだけ減らす対策に取り組むことが重要です。